マイボーム腺機能不全(以下MGD)とは、様々な要因によってマイボーム腺の機能がび漫性に異常をきたした状態であり、慢性の眼不快感を伴う疾患をいいます。
最近は、ドライアイの方の80%以上にこの疾患が合併しているといわれており、知らないうちに、この疾患に罹患している方も増えております。
このMGDにつきまして簡単にお話させていただきます。
原因、症状、治療のお話の前に、
マイボーム腺とは何かお話をしていきますね。
マイボーム腺とは、眼瞼(まぶた)のまつ毛の生え際よりもやや内側にある、油分を分泌する器官のことで、上眼瞼に25、下眼瞼に20前後あるといわれています。
マイボーム腺は、油分を分泌することにより、涙が蒸発するのを防ぐ大切な働きをしていますが、この機能に問題が生じるのがMGDなのです。
炎症や感染により、マイボーム腺の働きに異常をきたして発症します。
多くが高齢者ですが、眼瞼縁へのお化粧をきちんと落とさないと、
マイボーム腺開口部が閉塞し、MGDになりやすくなり、
若い方にも増加傾向にあります。
・目が疲れやすい |
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現代社会においては、パソコンやスマートフォンを使用する機会がますます増え、それに伴い、ドライアイ症状を感じる方も増えていくと思われます。その主原因のひとつであるMGDは、他の疾患の合併がなければ、視力低下が生じづらい疾患のため、様子をみてしまいがちですが、眼の違和感は改善しませんし、ものの見え方の質も低下します
ので、我慢せずに、眼科を受診されることをお勧めいたします。