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- 当院での近視進行抑制治療について
1 近視進行が眼に及ぼす影響と学童期の近視進行について
近視が進行し、強度近視や病的近視に至ると、緑内障、網膜剥離、網膜変性などの視力に影響を及ぼす合併症を来す可能性が高くなります。診断・治療は進歩しておりますが、難治性の合併症があるのも事実です。強度近視になりやすい学童の、近視の進行が早い学童期に、少しでも近視進行を抑制することが重要となります。また、学童の近視は、眼軸長(眼球の長さ)が伸びることで、ピント位置がずれることにより、生じる場合が多いと言われています。一度眼軸長が伸びてしまうと、元に戻りません。そのため、眼軸長の伸びを抑えることが、近視進行を抑制するために重要となります。
近視の強さによる分類
- ① 弱度近視 :-0.5以上~-3D未満
- ② 中等度近視:-3D以上~-6D未満
- ③ 強度近視 :-6D以上~
病的近視:近視の強さに関係なく、眼球の後ろ側の変形が強く、網膜や視神経が障害され、眼鏡を装用しても、視力が十分に得られない状態です。強度近視になると、その割合が増加します。
★当院では、近視進行抑制治療としてマイオピン点眼(低濃度アトロピン点眼)治療を導入しておりました。この薬剤は国内未承認のため、海外から輸入という形で処方しておりました。
この度、日本国内での製造・販売が、厚生労働省から正式に認可され、2025年春より国産メーカー参天製薬から「リジュセア・ミニ点眼液 0.025%」が販売開始となりました。このリジュセア・ミニ点眼のアトロピン濃度は、従来のマイオピン点眼が0.01%に対して、0.025%含有されており、より効果が期待できます。
その点からも、「リジュセア・ミニ点眼液 0.025%」へ移行することに致しました。
2 リジュセアミニ点眼治療について
リジュセア®ミニ点眼液0.025%による近視進行抑制治療については、発売前の臨床試験において、点眼を行わない場合に比べて、小児の屈折値の進行や、眼軸長の伸びを抑制することが確認されました。主な副作用として羞明(まぶしさ)があります。本治療は、近視の進行を抑えることを目的としています。ただし、完全に近視の進行を止めることはできません。また、この治療は視力を回復させるものではありませんので、その点をご理解ください。近視の程度に応じて眼鏡等での視力矯正が別途必要となります。
3 近視進行抑制治療(リジュセアミニ点眼治療)をおすすめするお子様
下記のお子様への処方が推奨されております。
- 6~12歳の学童
- 軽度~中等度の近視の学童
- 1~3か月毎の通院が可能
*当院では、特に強度近視になる可能性が高いお子様にお勧めしております。(親が強い近視 低学年で中等度の近視がある 近視の進行が早い)
4 リジュセアミニ点眼治療の詳細と費用
- 検査後、適応と判断されれば治療開始となります。
- 副作用等がなく、治療継続に問題なければ、定期的に効果をモニタリングします。治療は事前予約が〔必要〕です。
- 検査・薬剤費用は全て自由診療(公的医療保険の対象外)となります。
治療スケジュール | 費用(税込) |
---|---|
初回 | 診察・検査費用(3,000円)+点眼薬費用(4,380円/30本・30日分) 検査項目:眼底・視力・眼圧・眼鏡・眼軸長の検査 |
2回目(初回から1ヶ月後) | 診察・検査費用(2,500円)+点眼薬費用(13,140円/90本・90日分) 検査項目:視力・眼圧・眼鏡の検査 |
3回目(2回目から3ヶ月後) | 診察・検査費用(2,500円)+点眼薬費用(13,140円/90本・90日分) 検査項目:視力・眼圧・眼鏡・眼軸長の検査 |
※3回目の治療以降は3ヶ月毎の定期的な通院が必要です。診察・検査費用(税込2,500円)及び点眼薬費用(90日分 税込13,140円)が必要となります。
※来院の周期に合わせて、1本単位(1日分 税込146円)で調整する可能性があります。
※検査項目は、その時々で異なる可能性があります。
注)リジュセア®ミニ点眼液0.025%による治療は自由診療です。
なお、副作用等で治療を中止した場合でも、一旦処方した点眼薬については原則、返品・返金に応じることはできない旨、あらかじめご了承ください。
以上となります。
治療を希望される方は、当院にお越しいただいた上で、適応について検討させていただきます。